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Posted by ミリタリーブログ  at 

2020年05月23日

MARSOCの選抜過程 MARSOC ITCについて

MARSOC ITC

  今回は自分の中で今一番熱いMARSOCの選抜訓練、ITC(Individual Training Course)についてです。当然のことながらMARSOCの隊員となることはとても難しいことです。まず選考に合格した候補者はITCを受けます。ITCは小規模なチームで困難な条件の中、特殊任務を遂行できるクリティカルスキルオペレーターを養成するためのもので、9ヶ月間にもわたる訓練です。
 ITCはビルディングブロックアプローチを採用しています。ビルディングブロックアプローチとはシンプルなことから始め、段階的に高度な訓練手法に進むことにより、隊員に求められる能力をブロックを積み重ねるように向上させていくという考え方です。訓練の厳しさは戦闘における複雑さやストレスがシステマティックに増えていきます。訓練中、隊員は同僚だけでなく、教官からも常に監視されます。ITCは4つのフェーズにわけられています。

第1フェーズ (基礎技能) 10週間
 第1フェーズは、すべての特殊部隊の隊員に要求される基礎技能を訓練し、評価します。体力、泳力、近接戦闘のスキルは忍耐訓練、機能訓練、水陸訓練により試されます。
 このフィジカルトレーニングプログラムは、ITC全体を通して継続され、特殊作戦の独特な要求に対して生徒が準備できるように作られています。 グランドナビゲーション、パトロール、サバイバル、回避、抵抗、脱出(SERE)、Tactical Combat Casualty Care(TCCC)などのフィールドスキル。 ミッションプランニング、支援砲撃訓練、およびコミュニケーション訓練は、第1フェーズで完結します。

※SERE
Survival, Evasion, Resistance, and Escapeの略で生存、回避、抵抗、脱出をあらわしています。4軍それぞれ訓練場所として、空はフェアチャイルド、陸はフォートブラック、海と海兵隊はワーナースプリングにあると知られています。MARSOCのSERE訓練についてはまた次回まとめたいと思っています。

※TCCC
ヘリなどの負傷者輸送手段、防護装備の発達とTCCCの導入により第二次世界大戦やベトナム戦争と比べて、イラク戦争での死傷者率が大幅に改善されました。TCCCは1993年から1995年にかけてガイドラインが作成され、1997年からまず特殊部隊に導入され、その実績から2010年には米軍全体に導入されました。
イラク・アフガンにおいて、TCCCが導入された75thRangerと米軍全体の死亡者/負傷者に(CFR)に大きな差異が見られ、なかでも避けられた死が大きく減っています。TCCCの導入により衛生兵の可能な手技の範囲が大きく広がりました。以前は止血のみであったのがこれに加えて、輸液、挿管、外科的気道確保、胸腔穿刺などが可能になりました。
TCCCについてはまだまだ知らなければいけないことがたくさんあるのでまたまとめたいと思っています。

参考
https://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/meeting/kyumei/sonota/pdf/02/005.pdf

第2フェーズ (Small unitでの戦術)8週間
 フェーズ1に基づいて構成されたフェーズ2は小型ボートにおけるスカウトスイマー(泳いで偵察にいくこと)、武器の使用、写真撮影と情報収集、そしてこれのレポート作成などについて訓練します。生徒は2つの大きなミッションの中で評価されます。一つはパトロールと戦闘に主眼を置いた2週間のミッションで ”Operation Raider Spirit” とよばれるもの。もう一つは都市と農村の偵察に主眼を置いた “Operation Stingray Fury” です。

第3フェーズ(CQB)5週間
生徒はライフルとピストルの射撃訓練を受け、MSOT(Marine Special Operation Team)の一員となるのに必要な戦術、技術、手順を学びます。このフェーズは5週間続き “Operation Guile Strike” と名付けられた演習で都市部や農村の目標に対する一連の模擬攻撃の訓練を終了させます。

第4フェーズ (非正規戦闘)7週間
 最後のフェーズでは生徒は非正規戦闘についての講習を受けます。ITCは “Operation Derna Bridge” と呼ばれるミッションで終了です。Derna Bridgeでは生徒はITCを通じて学んだスキル全てを使うことが求められます。ITCを卒業したMARSOF CSO’sは3つのMSOB(Marine Special Operations Battalions)の一つに配属されます。

※訓練期間を全て足すと7ヶ月くらいになるのですが、MARSOC公式には9ヶ月と書いてあります。ちなみに海兵隊の公式では7ヶ月と書いてあります。おそらくフェーズの間の移動日休息日などを含めているかいないかなのかなーなんて思っています。それともう一つ、MARSOC公式には“Operation Raider Spirit” はフェーズ1と書いてあります。フェーズの内容的に2にあるんじゃないかなと思っていますが、真相は調べていません笑。

長々とITCについて書きましたが、ここからが本題です。
ITCにおける”Operation Raider Spirit”の様子が公式ホームページに上がっています。
https://marsoc.com/raider-spirit





ぜひ全部ご覧になっていただきたいのですが、MARSOC装備と聞いて思い浮かべる装備とはまた違ってとてもよいです。

ざっくり装備を見ていきましょう。

 まず頭回りです。ヘルメットはPT Helmet A Bravoと呼ばれるものです。これに norotosのおにぎりシュラウドとPVS14がついています。アームなんですがショートのpvs14用だとおもうんですがこれレプリカとかありますか?ロングばっかでショートがなくてどうしようと思っているところです。アイウェアをしている生徒はいなさそうです。

※とあるbream hunterから有益な情報をいただいたので追記します。
pvs14のjarmにwilcoxからnorotosのTATMとかL4G24など各種マウントにつけるためのものがでているのを知りませんでした。ですのでこのマウントはショートのpvs14用というわけではなく、norotosのTATMということになりますね。


 教官と思われる方の写真もあります。教官はpvs15をつけていたり、マテリアルカスタムを来ていたり他と明らかに違います。           




























 次に無線周りです。これだけ鮮明な写真がたくさんあるのですが、無線をはっきりと写している写真はありません。
何ピンなんでしょうか。ヘッドセットはFSBE MICH-MARITIME Shooter’s kitのLow Noiseだとおもいます。下は10ピンになっているようですが、この訓練自体が2014年の5月なので6ピンのほうがしっくりくるような気がするのですがどうでしょうか。













 


 ウェアはMCCUUのWD MARPATですね。たくさん出回っているので、安く手に入ると思います。教官らしき人はマテリアルカスタムを着ています。また下の画像のようなおしゃれなものもつけています。これはOutdoor Reserchのクロコダイルゲートルです。MARSOCでは他にも使用例があるものです。めちゃくちゃかっこいいいですよね。














 ギアは皆RRVをつけています。200rdをふたつつけたり、m4のダブルを2つつけたりくらいのパターンしかありません。生徒役をやるなら、官給のポーチだけで組みたいところですね










 他にも小物類とかいろいろあるのですが、疲れたのでいつになるかわからない次回にしたいと思います。
コロナで大変な現在ですがおちついたころにはいろんなミルシム、リエナクトイベントに参加したいです。中でも益荒男ロックのシチュエーションはこの装備をやるのにぴったりなので、楽しみにしています。
 ウッドランドにコヨーテのギアが今のMARSOCの花形装備ですが、こんなMARSOC装備を再現するのも、楽しいと思います。少しでも興味を持っていただけたら幸いです
  


Posted by Ryo  at 07:22Comments(0)MARSOC